職業人セミナー ピザ屋さん

今回の職業人セミナーのゲストは 逗子市「自由人處」というピザ屋さんのオーナー 草柳聡一さん。
2005年開店。楽しみながら、愛されながら、日々進化しているお店です。

満員御礼の中、ぎゅうぎゅうになりながら大きい円を作ってお話をうかがいました。

お話の内容は・・・
建築士のお父さんのもとに生まれ、小さいころから建築や物を作るということに日常的に触れる環境で育っていらっしゃった中、
「自分は数学がめっぽう弱いから」建築は目指さなかったそうです。
進路は、(今のご本人からは想像もつきませんが)学校でうまく友人づきあいができない時代もあり、
人間関係を断ち切りたい思いと酪農を学びたい気持ちから、北海道へ。
その後、酪農を深めたくてスイスへ留学も。その時に、スイスと日本の、食・特に乳製品に対する考え方の違いに愕然。
食に対する畏敬の念のようなものを感じ、自分も食を提供する側になりたいと思うように。
スイス時代通っていたピザ屋さんで、ピザ窯をのぞかせてもらい、自然にピザづくりを教わったとのこと。

帰国して、いったんは鎌倉で店を出そうと思ったが、店舗選びに苦労。
いろいろあって、実家の1階を借りることで話は落ち着き、無事に開店にこぎつけたそうです。

「開店時、一番大変だったのは?」の質問に、
「本当にここでやって行っていいのか、やり続けていけるのか」のメンタル部分、と回答。
また、「開店当日は知人友人が押し寄せてくれた」が、その後は暇な日々が続き、
マンガ「美味しんぼ」をずっと読んで乗り切っていたそうです。
グルメマンガというだけでなく、食材に対する畏敬、それを料理させてもらえる喜び、
そしてお客様に提供させてもらえる嬉しさ…を、読みながらじっくり培いました、とのことです。
お客様に愛されるお店の原点がここにあるような気がしました。

「石の上にも3年」。
続けようか辞めようかは、やりながら考えればいい。自分はその期間を3年と思っていた。
でも、楽しくできないなら、無理なら、続けないもアリ。あきらめる・あきらめないのさじ加減。
今の満足度:「65%。死ぬまでに100%になれればいいかな。」

食べ物屋さんらしく、美味しいものの話題満載の、楽しい雰囲気で終始。
→例えば、
・ラーメンが 美味しくない:美味しくない 2つの情報をもらったとすると、自分は行ってみる。
 おいしいと言っている人がいるのにもう1方の情報に引っ張られて行かなくて、でも本当は自分の口に合っていておいしかったら、もったいないから。行ってみて美味しくなくても、それは自己責任。選択するのは自分。人生は選択の繰り返し、選択が自分を作っている。

・自分のできること・好きなことを、小さいことでもいいから見つけてほしい。
「例えば、家の手伝いをしている間に『皿洗いは出来るな』と思ったら、皿洗いのバイトに応募すればいい。
得意なことをやるために応募したんだから、おのずと、ただ条件だけから応募したバイトとは、面接でいうことが違ってくると思うよ。
『僕は皿洗いが得意なんです!』と言えたら絶対受かるよ」

・・・などなど。
全員を巻き込んでやり取りをふんだんにしながら、たくさんのお話をてくださいました。
参加メンバーからは「一歩動く勇気を持てた」「働くことに前向きになれた」など、良い感想がたくさんでていました。

いつも大好評の職業人セミナー、今後も続けていきます。