職業人セミナー「キーマ君」

湘サポでは不定期に様々な経歴の「職業人」の先輩からお話を聴く機会を設けています。今回お話をしていただいたのは、TVKコミュニケーションズにお勤めの荒井 智さん。14歳から26歳まで約12年間の引きこもりをしていた期間があり、動かなくなったきっかけ、家にいた時にしていた事。親戚の叔母さんが薦めてくれたアルバイトで履歴書の書き方も分からない所から働き始めた時の経験を話してくださいました。

家にいた時に夢中になったものは読書・カードゲーム・ギターと話す荒井さん
「学校でしか学べない事もあるかもしれないけれど、遊びの中から実用的な事を学ぶ事もできる」

経験、体力のない状態からアルバイトを始め、最初は何もできなくて段々と仕事を貰えない状況に。「このままではヤバい!」と思い、自分にも出来る小さい仕事を見つけて、周りの負担を軽減させられるように出来る事を一つずつ増やしていったこと。そんな事を2、3年続けていたらいつの間にかいくつかのプロジェクトを担当していて、細かい仕事を人に振る立場になっていた事。社会にこれから参加していくメンバーさんにとっても、「採用された後の話」として今の自分と地続きで捉えられているように見えました。

上司の「お前ってキーマカレーに似てるよな」の一言を気に入り、あだ名が「キーマ君」に。

メンバーさんからの「仕事を続けられている。なんで続けられるかなって思う」という質問には、「停止しているものは停止し続ける。動いているものは動き続ける”慣性の法則”というものがある。慣性の法則を一番受けるのは心だと思っている。今ぼくは体力の続く限り、仕事以外の時間も誰か人に会いに行っている。止まっていると重たい物を最初動かすのにすごい力がいる。でも、もう動いているものをさらに加速させるのはそんなに力はいらない。それは心も同じ。今止まっている心の動きを急に100%にするのは凄く負担。一つ一つこなしていけば、ある程度スピードが乗れば負担が少ない。 仮に今の仕事を辞める事になったとしても、動き続けていればどのような形でもなんとかなると思っています。」と印象深い言葉で答えてくださいました。

昔から将来の夢というものがなく、テレビで直前に見たものなどを答えていたという荒井さん。そんな中「ピーナッツ」の主人公のチャーリー・ブラウンが将来の夢を「ぼくはみんながそばにいて欲しいって思うような人になりたい」と語るシーンを読んで、将来の夢を「職業」ではなく「どういう人になりたいか」という風に考えられるようになったそう。「今もこの仕事に就きたいみたいなものはないが、周りの人が『どうしよう困ったな』と思った時に『とりあえずキーマ君に相談してみよう』と思われる人になりたい。」と仰っていました。聴講したメンバーさんからも「自分はこういう人になりたい」の感想がたくさん聞こえてきました。

長く空白期間があった後に社会へ飛び込んでいった先輩の話として、メンバーさんからの共感の声がとても多かった今回の職業人セミナー。次回は未定ですが、また開催していきます。荒井さん、本当にありがとうございました!